1.これまでの歩み
日本都市技術株式会社(以下、「日本都市」)は1949 年に福岡県土地区画整理協会として創立し財団法人として全国の土地区画整理事業を長年、支援してきました。そして2006 年に株式へ移行するとともにCTI グループに加わりました。
株式移行後の3 年間は本格経営への移行期間と位置づけ「福岡都市ビジョン2018」を策定し、区画整理の応用範囲拡大や都市再開発への進出を図りました。2011 年には、都市コンサルタントとしての使命感を持って東日本大震災の復興貢献へと舵を切り、現地事務所の開設、多数の職員派遣を行うなど注力しました。
2016 年6 月、当社は株式移行10 年の節目の年を迎えるにあたり、CTI グループ中長期ビジョン「CLAVIS2025」に連動し日本都市技術中長期ビジョン2025「IGNITION2025」を策定しました。
注)CTIグループ :株式会社建設技術研究所グループ
2.事業環境
近年、企業の物流効率化や製造業の国内回帰に下支えにより、港湾跡地再開発や環状道路沿線の産業系や物流系開発が活況を呈していますが、2020 年の東京オリンピックを境に一段落すると見られています。
今後は、社会的課題である都市機能施設の立地適正化、国際競争力強化、防災減災、コンパクトシティ、官民協働都市再生などの政策領域の続伸が見込まれます。
また、国内市場の成熟化、グローバル化の急速な進展に伴い、民間による新たな成長分野の誕生も予見されます。
こうした顧客需要の「質」の変化に対応するため、早期に周辺領域を含めたトータルサービスを提供するなどの戦略立て直しが必要となってきています。
■ CTI 都市・建築グループの形成と都市系コンサルタント業界トップ3への躍進
■ 都市・建築・土地活用等のトータルサービスの提供
■ 事業をリードする“ まちづくりコーディネート集団” への躍進
3.目指すべき方向性と目標
(1)目指すべき方向
- 現在の建設技術研究所及びグループ会社に土地活用等の技術サービス機能を加えCTI都市・建築グループを形成します。
- グループ各社がそれぞれ事業展開を行うとともに、連携して付加価値の高い「都市・建築・土地活用トータルサービス」を提供し都市系コンサルタント業界トップクラスに躍進します。
- 財団時代からのアイデンティティー(公益性の堅持、地権者利益の確保・向上)を堅持しつつ、顧客(主に行政や民間事業者など)の良きアドバイザーとして事業をリードする「まちづくりコーディネート集団」へと飛躍します。
注)CTI 都市・建築グループ:建設技術研究所及びグループ会社の都市部門グループ(CTI都市部門、日総建など)
(2)主な目標(2025年)
① 受注目標及び営業利益率
・日本都市20 億円以上(CTI 都市・建築グループ60~70 億円以上)
・営業利益率8% 以上
② 地域展開
・4 大都市圏体制の構築(関東、関西、中部、九州)
③ 技術職員の増員
・2016 年:約90 人 ▶▶▶ 2025 年:約120 人
(3)展開領域
- ① 得意分野の展開
- 財団法人時代より培った土地区画整理事業の実績と経験に基づく最高の技術サービスの提供により、新たな政策ニーズ及び多様な顧客ニーズにも適切に応えます。
- ② 新分野・周辺分野の展開
- CTI 都市・建築グループにおける汎用性の高い技術を持って都市開発、公有地活用など、間口の広い技術サービスを提供します。
- ③ 新業種の展開
- 都市分野においてニーズが高まりつつある、発注者支援、土地活用などの技術サービスに着手し大きなプレゼンスを発揮します。
4.目標達成のための3つのイノベーション
- (1)カルチャーイノベーション
- 財団時代に培われた公益性と社会貢献等の長所の堅持
- まちづくりトータルコーディネート集団、プロフェッショナル集団として、挑戦マインドを加味した新たな企業文化の醸成
- (2)ストラクチャーイノベーション
- ① 機構改革
- コーポレートガバナンスの徹底、管理本部の内部統制機能の強化
- 全社営業を統括する営業統括部、技術サービス品質を統括する技術統括部の設置
- ② 組織改革
- 関西支社及び中部支店の新設、4 大都市圏体制の構築
- 新人社員や中途社員の計画的採用、技術者教育の強化、再雇用などの人財確保
- (3)プロセスイノベーション
- ① 本社本部の機能強化
- リスク管理、人事労務管理、法務、財務管理、資金繰り計画・管理、CSR、広報活動などの強化
- 事業戦略と展開方策の明確化、開発・研修、事業化投資、人材育成及び研修などの強化
- ② 営業システムの改革
- 営業統括部及び新事業推進室の設置、長期戦略や年度営業方針の策定と営業活動の強化
- 全職員の営業マインドの醸成、営業系職員の増員、CTI グループの営業連携の強化
- ③ 生産システムの改革
- 数年業務や大型業務の進捗・コストなど生産管理の徹底、見える化
- PM の本格的導入、円滑な事業推進を図るための交渉力・対応力の強化
- OJT 及びグループ会社との人材交流を活用した設計技術等の強化
- ④ 技術開発・人材育成の改革
- 生産性向上及び事業展開に必要な技術やシステム・ツールの開発
- 換地システム、3D-CAD,CIM 等の基幹ツールの整備、生産性の向上
- 資格取得の奨励・支援
- ⑤ 品質システムの改革
- 地域密着型のビジネス品質の堅持、品質方針、照査要領等の導入、照査等の実施体制の整備
- ⑥ 職員の満足度向上に向けた取組みなど
- 働き方意識改革「メリハリのある働き方」の推進、WLB の改善、働きやすい職場の構築
- 職員の健康管理、安全管理の強化、処遇改善、職員間のコミュニケーションの増進